140年前のアンティーク材に出会いました。
大阪の和泉市にある酒造メーカー
辻林酒造の酒蔵。
建替えをするということで解体されることになった。
古材鑑定士のもと、1本1本丁寧に釘を抜きビスを抜いて解体された板材。
その古材鑑定士から直接買付け素材をじっくり観察してからモノつくりに入りました。
1.加工前の板材。手をつけずにこのまま使いたい材料の風合い。でも、実際にはササクレやトゲだらけ。
2.様々な道具を使い長年のしわや風合いを損なわないよう丁寧に仕上げるとびっくりするくらいの木目が
浮かび上がる。中央には大きな節があったけど死節でやがて脱落する感じだので抜いてしまいました。
3.天板裏の様子。大きな節穴を利用して使い古しのブリキ板をフリーハンドでいびつに切り、
タグプレートにして真鍮の釘で微妙にゆがめて止める。
4.ブリキ板の天板表側にはロゴ入れました。穴の横には140年の月日を物語る虫食い跡やしわ・・・
5ー6.6本の鉄脚を繋ぐ細いアイアンの丸鋼。強度とデザインを兼ねてあ〜でもない、こ〜でも無いしながら溶接。
溶接後まっすぐな丸鋼を両手で縦方向・横方向あらゆる方向へ、何箇所もへの字に曲げてからまた直線に戻す。
一箇所曲げて戻すにしても鉄は一度曲がると微妙に伸びていて、フリーハンドでは絶対に真っ直ぐに戻りません。
誰でも一度は経験あると思うけど、曲げてしまった針金を元に戻そうにもあっちを触ればこっちが歪み、
こっちを戻してもあっちはまた歪む。そうやってできた真っ直ぐなようで真っ直ぐでないゆるーい線(ライン)が好きなんです。(笑)
なんかそうする事で、140年前のアンティーク材と馴染んでいくような・・・。
写真ではわかりづらいですが、6本の鉄脚は寸法どおりに整然と並びその中で、自由に遊ぶ丸鋼。
僕の頭の中では『静と動』をイメージして創っています。
完成してみると僕にとってツボなアイテムが揃っている。
『アイアン、真鍮、アンティーク、古材、ブリキ、ゆがみ、ひずみ、』
そんな感じで創ったモノ、
auctionに出品しています。