スツールの脚部アイアンは、ただ直角に十字クロスさせて
溶接しているだけのフィニッシュではなく、
溶接後すぐに大ハンマーで「たたき」を入れています。
この「たたき」でアイアン2枚の段差を最小限に抑えて
丸座面との接合部の密着を良くして、
さらに表面の独特なひずみの表情となじみのカーブが現れます。
この風合いが好きでたまりません。
でも、工作機械ではない私の手は 当然のことながら
左右均等に正確に大ハンマーは たたけない。
直角に十字クロスさせたものがこのたたきによって
鉄が伸びてしまって直角が崩れます。
差し金(直角定規)を当てては たたくを繰り返して正常に戻す。
で、今度は木材パーツと連結させて座面を仮組みして
真っすぐイスが立つか確認して、駄目ならまた
「たたき」と「ひねり」で修正します。
この「たたき」によって、世界中でたったひとつの
「一点ものスツール」が生まれます。
世界中で誰も真似することができない・・・。
自分自身も・・・(笑)
だから、明日このstoolにはひとつひとつにserial no.を打とう思う・・・。